「クリニックに、おもてなしを。」を理念に掲げるクリニカルコンシェルジュ協会の代表理事を務めます、根本和馬です。
当然のことながら、入社面接を受ける目的は「採用して頂くため」です。
必然的に面接時の振る舞いは良くなります。
複数の応募者の中で、あなたが採用されたということは、端的に言えば「他の応募者よりあなたの印象が良かった」ということです。
つまり「最初の印象が良かった」のです。
さて、採用になったからと言って、ここで満足してはいけません。
「最後の印象」、つまりそのクリニックを辞める時にどんな辞め方をするのかも重要なのです。
最初の印象はいくらでも取り繕うことが出来ます。
会社を経営して約10年ですが、面接時にその人の本質を見抜くというのは無理だと思っています。
一方、その人の本質が顕著に表れるのが「辞める時」です。
「賞与を支払った翌月に辞めましたよ」
このように嘆かれる院長先生は、決して少なくありません。
かく言う私も、実は賞与を支払った数日後に辞められたことがあります(涙)これは本当に辛いです。
細かく言うのは控えますが、弊社における規則に則れば、その人材には賞与を支払う必要が無かった、所謂「試用期間」でした。
しかし「今のところ頑張ってくれているし、これからも期待しているし、少しでも支払ったら喜んでくれるかな」という気持ちで支払いました。
その結果が、これです(涙)本当に辛かったです。
以降、「いくら頑張ってくれていても、ルールに則って還元するようにしよう」と心に決めました。
思えば、ルールや規則というのは、真剣に相手のことを考えて振る舞えば、最低限のもので済む筈です。
先日、目を疑う光景を目の当たりにしましたが、車を運転しながらスマホを操作しているドライバーを目撃しました。
だから「ながら運転」はより厳しいルール(罰則)が課せられたのです。
当たり前の話ですが、他のドライバーや歩行者のことを考えたら、ながら運転は決してやってはいけない行為です。
しかし相手のことを考えないから、ルールが出来上がってしまうのです。前述した私の中でのメンバーに対する賞与のルールと同じです。
「こんなことはとても悲しいことだ。決してうちの会社ではそうなりたくない」と感じたからこそ、弊社の理念は
「自分がされて嬉しいことを相手にもしよう(=自分がされて嫌なことは相手にもしない)」
にしました。
多くのクリニックでは6~7月に賞与を支払います。
この時期に退職するということは、どれ程その院長先生のお人柄が素晴らしくても「○○さんは、賞与をもらってすぐ辞めた」という印象になります。
つまり「最後の印象」が悪くなるのです。
最後の印象を悪くする行為は、自分の商品としての価値を下げることと同じです。
あまりこういうフワッとした話はしたくなりませんが、そのような振る舞いは、必ず後に自分に返ってきます。
だからと言って「賞与を貰ってしばらく月日が経てば辞めても良いのですよ」という訳ではありませんが、くれぐれも相手の気持ちや立場を考えた言動を心掛けて下さい。
当協会が大切にする「おもてなし」とは「おもいやり」なのですから。
以前、当協会の姉妹ブランドである医経統合実践会の公式チャンネルで「退職と卒業はどう違うの?」という動画を公開しましたので、ぜひご視聴下さい。
クリニックによっては、ミーティングで全員が一緒に視たというところもあります。
それだけ「最後の印象」を良くするというのは非常に大切なのです。